2006年6月11日(日)13:00

シュッセル墺首相はEU憲法の救済を図る意向

ハンブルク(AP)

木曜日のブリュッセルEU首脳会議を目前に控え、EU議長国を務めるオーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相はEU憲法論争の解決に向けて新たな提案を行った。首相は『ビルト日曜版』紙Bild am Sonntagとのインタビューで、すべてのEU加盟国が同じ日に国民投票を実施することを提唱した。「そしてEU市民の過半数と加盟国の過半数の承認が得られたならば、EU憲法の批准とすれば良い」と首相は自らの考えを説明した。

シュッセル首相は、このようなEU全体の国民投票は十分考えられると述べた。これまでEU憲法の批准は加盟国で個別に行われており、フランスとオランダでは過半数の賛成を得られなかった。しかしシュッセル首相はインタビューの中で、憲法が発効しなければ拡大EUが麻痺する恐れがあると警鐘を鳴らした。「EUの意思決定方式はおそろしく複雑なものになっている。私たちはこれを大幅に簡素化しなければならない。さもないと近々27ヶ国を抱える私たちの共同体は行動不能に陥る恐れがある。」

シュッセル首相は、憲法条約の個々の部分を抜き出して発効させるというフランスの提案を退けた。「干し葡萄を拾い出すようなことは感心しない」。「むしろ個人的には、憲法に新たな内容を付け加える必要があると信じている」。これには「条約か基本法かという新たな名称」の問題も含まれる。しかしこのような提案を行うのは憲法を否決した国、すなわちフランスやオランダでなくてはならない、とシュッセル首相は主張した。

インタビューの中でシュッセル首相は、2007年上半期のドイツの議長国任期に過大な期待を寄せぬよう戒めた。ドイツのアンゲラ・メルケル首相に「何もかも押しかぶせて、自動的に問題が片づくなどと考えてはならない」。ひとつの議長国に「救世主のように何もかも期待」してはならないのだ、とシュッセル首相は警告した。

シュッセル首相はまたEUの舞台におけるメルケル首相の指導性を称賛した。「彼女は成すべきことを他人に命じる支配者ではない。このような指導性はもう私たちがEUで経験してきた」。メルケル首相は「チームのまとめ役に徹し、何もかもリーダーの仕事としない。これはとても賢明な方法だ」、とシュッセル首相は述べた。

あわせてシュッセル首相はオーストリアの議長国任期について肯定的な総括を行った。「私は自信たっぷりに言おう。EUの状況は半年前よりもずっと良くなっていると」。サービス業のEUガイドラインは決まったし、付加価値税緩和の問題も解決した。「これは私たち以前の14の議長国にはできなかったことだ」、と『ビルト日曜版』は首相の言葉を伝えた。

原題:Schuessel will EU-Verfassung retten




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